初々107
昨日の空は青かった。彼女はふとそう思った。そして今日の空も昨日と変わらず青い。だが彼女の目には少し違って映っていた。やけに空が低く見える。この青くて綺麗な空も所詮は●が作り出した幻覚なんだ。そう思えてくる。そう思うことが不思議だった。くだらない。こんな思考に何の意味も無い事は言われるまでもなく、彼女が一番よく分かっている。かと言って、学校や仕事、人間関係、他の事にはどれほどの意味があるのだろうか?自分自身ではどうにも出来ないもの。自分でもどうにか出来るもの。それさえもよく分からないもの。意味があるのかどうか、結局は自分次第なんだろう。決められた囲いの中、だけど全ては自分次第。それが彼女に重くのしかかり、倦怠感ばかりが付きまとう。正解のない自己問答。そして無常観。泣きそうになる。普段は心の奥に押し込めているそんな思考。いつもは普通に友人と遊び、彼氏とデートをし映画を見て、なりたい自分を目指して嫌々ながらも勉強をする。だが、友人との会話、昔行った事のある思い出の場所、日常生活の中、ふとした切欠で彼女はそんな思考を繰り返すのだ。そして、いつも行き着く答えは一緒だった。それでも同じ思考を繰り返してしまうのは、彼女自身
2615回
2010/09/19