初々85
彼女は空を眺めていた。こんな薄汚い街から見える空に何を見て何を期待しているのだろう。彼女の生まれた町から見える綺麗な澄んだ空なんて見えるわけもないのに。街にたたずむ彼女は、何にも染められていない真っ白なキャンパスのようだ。彼女はこれからどんな色に染められていくのだろうか。私に出会ったということは、白いままではいられなくなるのは確かだろう。彼女の生まれた町はとても空気が澄んでいて、空が高く夜になると星が手に取れるような輝きを見せる空があった。「いつも眺めてました。嫌なことがあると土手なんかに行って、ぼーっとしてましたね。」と彼女はのほほんと語った。小さな頃から考えることが苦手だった。誰かが引っ張っていってくれれば何も考えることもなく付いていくような●供だった。そんな性格からか、道を示してくれる頼りがいのある人に惹かれるようになっていた。初体験の相手は教師だった。中学の頃から色々面倒を見てもらっていて、進学先のことも熱心に考えてくれた先生だった。さすがに在学中は深い仲にはなれなかったのだが、進学してからもメールのやり取りをしていると、在学中では考えられないくらい積極的にアタックしてくるようになった。元々好きな男性
3040回
2010/08/24