即金68
人を看護する仕事をしている女。人に尽くすことに喜びを見出す女。「男運は無いです。」そう語る礼は、確かに幸が薄そうな顔をしている。しかし、常に明るい雰囲気を醸し出し、笑ったときの顔にはとても魅力があり、引き込まれてしまう。その魅力は彼女の歩んできた人生から来るものなのか。それとも、彼女の献身的に人に尽くしてしまう性格、つまり「人間が好き」という気持ちから、滲み出ているのか。高島礼という人間のことを知りたいと思った。しっかりとした男よりも、どこか情けない男を好きになってしまう。そうゆう傾向があると、自分では認識しているという。看護師という仕事は決して楽な仕事ではない、家に着く頃には、くたくたになってしまう。そんなときに求めるのは、温かく迎えてくれる包容力のある人よりも、自分を頼って甘えてくる男を欲してしまう自分がいる。自分を求めてくれる人、必要としてくれる人から頼られることが、礼の癒される時なのだ。孤独、寂しさ、そんな感覚に囚われるとき、自分は世界から見放されているんじゃないか?世界で独りぼっちなんじゃないか?と感じることがある。そんなとき甘えてくる男のそばにいることで、自分はここにいていいのだ。誰かに必要とされ
1787回
2010/06/28