初々164
雨の日の午後、悲しみに暮れながら、傘もささずに歩く。街中で浮いている存在。周りのヒトは奇異の目で私を見ている。いや、見ないように、目を合わさないようにしている。関わりを持たなくては生きていけない人間は、関わりを持つことに怯えている。誰も心配してくれない、同情はするが助けてはくれない。行動できないのならば、言葉だけ、気持ちだけの優しさなんていらない。秋雨よりも冷たい、幾多の人間が行き交う街で、私は一人ぼっちだ・・・。今日私は、男にフラれた。3年以上付き合った長い関係だった。別れの言葉は簡単で「他に好きな人ができた」だった。中途半端な優しさで誤魔化されるよりも、素直な気持ちをぶつけてくれたことで、私はスッキリした気持ちで別れることができた。しかし、ストレート過ぎる別れ言葉は、未練の言葉を言わせることさえ許さなかった。それでも何も言えなかった。彼のそんなトコロが好きだったから。私はいつまで未練たらしく悩んでいるのだろう。こうやって濡れながら街を歩くのも「誰かに心配されたい」という気持ちから行動しているのだ。と、私の頭は理解していたが何故だか止めることはできなかった。やはり私は傷ついているし、悩んでいるし、寂しいのだ
4287回
2010/11/28